調査①
コンクリートの圧縮強度の調査方法
①コア採取による方法
□コア調査の手順
コア径および採取位置の選定
↓
鉄筋位置、間隔、かぶり厚さの推定
↓
コア採取位置の決定
↓
コア採取
↓
採取したコアの整形、キャッピングなど
↓
圧縮強度試験の実施
↓
試験結果の整理、分析
□留意点(試験で問われるところ)
①ひび割れやコールドジョイント部は避ける
②柱や壁など鉛直部材では高さ方向により差が生じるのを考慮して、打設下面から1.3m~1.5mの位置を標準とする。
③鉄筋探査などで鉄筋位置を避ける。
④JIS A 1107 コア供試体の直径は粗骨材の3倍以下としてはならない。
⑤コア強度は採取時のトルクにも影響されるので、トルクは14.7N・mを超えないこと。切断速度は75mm/min程度とする。
⑥採取後1~2日以内に強度試験を行うことが望ましい。
⑦コア寸法の高さHと直径Dの比はH/D=1.90~2.10の範囲とし、1.0以下としてはならない。
⑧コアの寸法Hは最大値と最小値を±1%以内の精度で測定し平均値を供試体の高さとする。
⑨H/Dが1.90よりも小さいときは圧縮強度試験結果を補正して、2.00の
供試体の試験結果へ換算する。
⑩コアの整形については、供試体の両端面の平坦度が直径Dの0.05%以内およびコア端面とコアの軸のなす角度が90±0.5度にする。
②反発度法
配合の調整方法
項目 | 細骨材率 | 単位水量 |
粗粒率が0.1大きい | 0.5大きくする | - |
スランプが1cm大きい | 補正なし | 1.2%大きくする |
細骨材率が1%大きい | - | 1.5kg大きくする |
川砂利を用いる | 3~5%小さくする | 9~15kg/m3小さくする |
空気量が1%大きい | 0.5~1.0%小さくする | - |
流動化コンクリート
流動化コンクリートとは
ベースコンクリートに流動化剤(ナフタレンスルフォン酸、メラミンスルフォン酸、)を添加したもの
特徴①:単位水量を増やさずにスランプを大きくし、施工性を向上
特徴②:同一スランプとしたときに、単位水量を減じることで品質改善
施工面での必要な配慮
・現場にてアジテータ車に流動化剤を添加してから、20~30分以内に打ち込みを完了させる。
・コールドジョイント防止のため、打ち重ね時間間隔を短くする。
・ブリーディングが少ないため、プラスティック収縮ひび割れ防止のため、初期養生を実施する
配合面での留意事項
・細骨材率は、流動化後のスランプと同程度とする。
・単位水量は同一スランプのAE減水剤コンクリートの8~12%減
・スランプ増大は10cm以下(5~8cmが標準)
水質管理 その2 水質検査
◆「検査」と「試験」の使い分け
水質検査:法令に基づく水質基準適否の判定を行う場合
水質試験:検査以外、処理工程水などの場合
◆給水栓水の検査項目と頻度(水道法第20条第1項)
①1日1回
色、濁り、消毒の残留効果
②おおむね1月に1回以上(9項目)
③臭気の原因となる藻類の発生時期におおむね一月に1回以上(2項目)
④おおむね三ヶ月に一回以上(40項目)
⑤検査を省略できる項目(3年に1回程度は実施)
◆給水開始前の検査(水道法13条第1項)
配水管を除く水道施設(取水、貯水、導水、浄水、送水施設及び配水池)を新設、増設、改造した場合、その施設を経た給水栓水について水質基準全項目および残留塩素の検査
◆水質検査計画(施行規則第15条6項)
毎事業年度開始前に策定することが義務付けられている。
◆クリプトストリジウムと対応
病原性虫であり、人および哺乳類に寄生して、クリプトスポリジウム症という下痢症を起こす。
塩素消毒が効かない。
厚労省 対策指針に則って対応
水質管理 その1 水質基準
◆水質基準
①水質基準項目(水道法第4条、水質基準に関する省令:厚生労働省令第百一号)
省令1~31の項目:人の健康に関連する項目
省令32~51の項目:生活利用上または施設管理上障害の生じるおそれのある項目
②水質管理目標設定項目(厚生労働省:毎年微妙に見直しあり)
27項目(R2年4月1日)
うち、農薬については115項目がリストアップされており、水道事業者が地域特性を加味して検査する
◆ピックアップした主な検査項目と留意事項
・鉛: 鉛毒がある。(昔、役者が白粉として、鉛白を利用)
可撓性、柔軟性のメリットがあり、過去に給水管として多数使用。
布設替え等を進めていく必要がある。
クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムの4種の濃度総和をトリハロメタンという。
塩素と水中のフミン質等の有機物質が反応して生成
クロロホルムには発がん性の疑いがある。
→日本は世界的に厳しい基準を設定0.06mg/L以下(WHOガイドライン00.2mg/L以下)
・大腸菌
水系感染症の主な原因菌はヒトを含む温血動物の糞便に由来する
塩素消毒が必要十分であれば検出されない。
◆塩素消毒について
消毒効果、酸化力、残留性、経済性に優れている。
水道法第22条、施行規則17条で水道事業者に消毒が義務付けられている
遊離残留塩素0.1mg/L以上
結合残留塩素0.4mg/L以上
導・送・配水施設 その5 配水施設
9)配水管
①管種 JWWA規格などがある
ダクタイル鋳鉄管
鋼管
SUS管
硬質塩化ビニル管
配水用ポリエチレン管など
選定基準
(1)材質により浄水の汚染のおそれがないもの
(2)管内圧、外力に対して、安全であるもの
(3)埋設条件に適合するもの
(4)埋設環境に適合した施工性を有するもの
②異形管防護
曲げ部は、水平・鉛直ともに管内水圧による不平均力を受けるため、防護措置をする
③電食・腐食
鉄管は、腐食への配慮が必要
異種金属、土層の変化部、軌道レールのちかくなど電池が成立する箇所
④誤接続の防止措置
区分 | 色 |
電話線 | 赤 |
電力線 | オレンジ |
水管(上水) | 青 |
水管(工水) | 白 |
下水道管 | 茶 |
ガス管 | 緑 |
⑤付属設備
バルブ(遮断、制御)
空気弁
減圧弁
消火栓
流量計
水圧計
自動水質計器
10)水運用と配水調整
11)施設の更新
アセットマネジメント:水道ビジョンに掲げられた持続可能な水道事業を実現するために水道施設の特性を踏まえつつ、中長期的な視点に立ち、水道施設のライフサイクル全体に渡って効率的かつ効果的に水道施設を管理運営する体系化されて実践活動
管路更新工法
①更新工法
布設替工法
既設管内布設工法(PIP工法など)
②更生工法
合成樹脂管挿入工法
被覆材管内装着工法
12)施設の耐震化
H20年10月1日 水道施設の技術的基準を定める省令の改正
・重要度に応じた耐震性能の明確化
・施設更新に併せて耐震化を如何に推進するかの道筋を示した。
13)漏水防止
①現状:経年劣化、外部要因(土圧、地震)により、漏水が発生しやすい
②漏水防止の目標を策定する
③対策
基本的対策
対症療法的対策
予防的対策に分類⑧
④配水量分析
⑤漏水量の把握
(1)直接測定法
(2)間接測定法:夜間に実施 ポピュラー
⑥漏水の復元
修理後1~2年ごとに追跡調査を実施する
⑦漏水探知機
・音聴棒
・電子式漏水発見器
・相関式漏水発見器
・時間積分式漏水発見器
・地中レーダ
・漏水量の伝搬性
・漏水判定機器
⑧予防的対策
・配水管の改良
・給水間の整備・改良
・水圧調整
・腐食防止
導・送・配水施設 その4 配水施設
4)消火用水量
「水道事業者は、水道施設に公共の消防のための消火栓を設置しなければならない。また公共の消防用として使用された水の料金を徴収することはできない」
配水池の計画給水人口が50,000人以下
⇒容量設計にあたり、消火用水量を加算する
消防水利の基準:「毎分1m3以上かつ連続40分」の給水能力が必要条件
小規模の地域では、上記条件を満たそうとすると、不経済な管断面になること、および、流速が著しく小さくなるため、堆積物や滞留による水質悪化が懸念される。
防火水槽や河川、湖沼、井戸等他の水源含め、消防部局との調整・協議が必要である。
5)配水施設の位置
位置エネルギーを最大限に活用できることが理想
配水距離が短いほど管径を縮小できる。よって区域の近傍または、中央部および、中央部近くの高所があれば合理的である。(自然流下方式の活用)
6)配水池
送水施設からの送水を受け、当該配水区域の需要量に応じた配水を行うための浄水貯留地である。
役割・配水量の時間変動を調整する機能
・非常時にも一定の時間、所用水量・水圧を維持できる機能
形式:地上、地下、半地下式
有効水深:3~6mが標準
配水方式:導水方式と同じ(3種)
7)給水方式
①直結方式
・直結直圧式;配水管の水圧で供給
・直結増圧方式
②受水槽方式
③直結・受水槽併用方式
設計水圧例
設計方式 | 3F | 4F | 5F |
Mpa | 0.2 | 0,25 | 0,3 |
8)震災対策用貯水施設
水道施設に直結して設置される
非常時に機能するため、耐震性が求められる。
所用水量:一人一日3Lが必要
40m3,60m3、100m3、1,500m3の4種が飲料兼用耐震性貯水槽として規定されている。
既定の元ネタ:地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係わる国の財政上の特別措置に関する法律